1. 人間にできないことはコンピュータにもできない
コンピュータは強力なツールであり、人間が行うことができるタスクを非常に高速で実行できます。しかし、それは人間が既に理解し、手順を明確に定義できるタスクに限定されます。つまり、会社が元々できないこと、つまり人間が理解していないか、手順が不明確なタスクは、コンピュータを使っても解決できないということです。これは、「コンピュータを使えば経営が上手くいく」という考えが現実的ではなく、幻想であることを示しています。コンピュータはあくまでツールであり、その使用方法と効果はユーザーの理解と能力によって決まります。

2. コンピュータは量的な情報のみを処理できる
コンピュータは数値や文字列などの量的な情報を処理するのに適しています。しかし、それは質的な情報には対応できません。例えば、人間の感情や直感、または文化的な理解などはコンピュータが理解するのが難しい情報です。更に、事業経営において重要な情報は、まだ数値化されていない企業外の情報であり、これはコンピュータでは処理できません。このような情報を理解し、適切に反映する能力は、現時点では人間だけが持っています。

3. コンピュータは与えられた命令だけを実行できる
コンピュータは指示されたタスクに従って動作しますが、「決定」を行うことはできません。つまり、コンピュータはプログラムされた命令に従うだけで、その命令が適切かどうかを判断する能力はありません。したがって、経営者がどのような決定をすべきか分からない場合、コンピュータに決定を任せることはできません。経営者自身が情報を解釈し、判断し、適切な決定を下す必要があります。