ピーク・エンドの法則と6種類の感情曲線
ピーク・エンドの法則について解説します。
ピーク・エンドの法則は、人々が経験を総体的に評価するのではなく、その最も強烈な瞬間(ピーク)と終わりにどのように感じたかに大きく基づいて経験を判断するという心理学的なヒューリスティックです。この法則は、ストーリーテリング、プレゼンテーション、顧客体験など、さまざまなシナリオで効果的に適用できます。最もインパクトのあるメッセージを経験のピークと終わりに伝えることで、聴衆の心に強い印象を残すことができます。
1.感情の弧:魅力的なストーリーテリングの鍵
感情の弧、または物語の弧は、キャラクターの感情的な旅に基づいて物語がたどる道筋です。
主な感情の弧は6つあります。
(1)貧乏から富へ(上昇-下降-上昇)
シンデレラ弧とも呼ばれます。主人公が困難を克服して幸せを手に入れます。
(2)悲劇(下降-上昇-下降)
主人公は一時的な幸せや成功を経験しますが、最終的には悲劇的な結末を迎えます。
(3)成功への着実な上昇(上昇)
主人公は成功へと着実に進んでいきます。
(4)失敗への着実な下降(下降)
主人公の状況は次第に悪化していきます。
(5)上昇後の下降(上昇-下降)
主人公は一度成功に近づきますが、最終的には失敗します。
(6)下降後の上昇(下降-上昇)
主人公は困難を克服して成功を達成します。
これらの感情の弧を理解し、ストーリーテリングやプレゼンテーションで効果的に利用することで、聴衆に共感を呼び起こす魅力的な物語を作り出すことができます。
2.感情の弧にピーク・エンドの法則を適用する
ピーク・エンドの法則は、経験の中で最も記憶に残る部分はピークと終わりであると示しています。そのため、物語やプレゼンテーションを作成する際には、これらのポイントで重要なメッセージを伝えることが重要です。ドラマチックなクライマックス、意外な展開、強力な結論など、これらの瞬間は聴衆に強い印象を与えることができます。
結論として、ピーク・エンドの法則と感情の弧を理解し適用することで、ストーリーテリングとプレゼンテーションの効果性を大幅に向上させることができます。経験のピークと終わりに重要なメッセージを戦略的に伝えることで、記憶に残る影響力のある物語を作り出すことができます。
ストーリーテリングは最も強力な方法です。人々が世界を理解し、他人に自分たちの視点を伝えるための
方法です。” – カルメン・アジャウィ
参考文献:
1. Kahneman, D., Fredrickson, B.L., Schreiber, C.A., Redelmeier, D.A. (1993). When More Pain is Preferred to Less: Adding a Better End. Psychological Science, 4(6), 401-405.
2. Vonnegut, K. (1985). Palm Sunday: An Autobiographical Collage. New York: Dial Press.
後藤穂高 / Hodaka Goto
元AOL日本、Netscape日本、ICQの社長である私の親の指導の下でキャリアを開始。
戦略的コンサルティング、法務、情報システム、システム開発を経験。
メディア、法律、テクノロジー、広告セクター。
マレーシアに拠点を置き、顧客組織のエグゼクティブに対して効果的なリスク軽減とビジネスプロセス改善計画について提案。
慶應義塾大学法科大学院卒業、上智大学法学部国際関係法学科卒業(成績優秀により3年間で早期卒業)
主なスキル:
企業関連の法務 | グローバル法務 | 業務改善 | コンサルティング | リスク管理 | 契約 | 自動化 | 法的サービス | KPI設計 | 上場準備 | プロジェクト管理 | 株主対応 | Google Workspace | Microsoft Office | SaaS | ERPシステム | CRMシステム