他人に同調する心理を利用した説得術

説得は、日常生活やビジネスの場面で頻繁に行われる行為であり、その成功はコミュニケーション力の一部とも言えます。しかし、説得は容易なものではありません。ここでは、他人に同調する心理を利用して、相手を効果的に説得する方法について解説します。

1.社会的証拠の活用
説得を行う際、自身の主張を他人の事例や証拠と結びつけて提示することで、説得力を増すことができます。これは「社会的証拠」と呼ばれ、特に「何をすべきか」に自信がない人々に対して、強い効果を発揮します。自分だけではなく、他の人々も同じ行動をとっているという事実を知ることで、不確実性が軽減され、行動への道筋が見えてきます。

2.社会的マッチングの心理
人間は自然と「社会的マッチング」を求めます。つまり、自分と同じような人々がどのような行動をとっているかを知りたがり、それに従う傾向があります。そのため、「誰かがその行為をしている」と示すことにより、「あなたもその行為をしても大丈夫だ」というメッセージを伝えることができます。

“人間は他人と比較して自己を評価する生き物である。”
– フェスティンガー

3.同類の存在の強調
説得のポイントは、「みんながそれをやっている」ではなく、「私の同類がそれをやっている」ということに重点を置くことです。自分と似たような立場や状況の人々が、特定の行動をとっているという事例を提示することで、相手はより強くその行動を模倣する意欲を感じることでしょう。

このように、他人に同調する心理を利用した説得術は、相手を効果的に説得する強力なツールとなります。自分の意見や提案が正しいと信じているなら、このテクニックを用いて、他人を納得させ、行動に移すよう導くことが可能です。

後藤穂高 / Hodaka Goto

元AOL日本、Netscape日本、ICQの社長である私の親の指導の下でキャリアを開始。
戦略的コンサルティング、法務、情報システム、システム開発を経験。
メディア、法律、テクノロジー、広告セクター。

マレーシアに拠点を置き、顧客組織のエグゼクティブに対して効果的なリスク軽減とビジネスプロセス改善計画について提案。

慶應義塾大学法科大学院卒業、上智大学法学部国際関係法学科卒業（成績優秀により3年間で早期卒業）

Mastering Business Principles

他人に同調する心理を利用した説得術