価格の値下げを避けるべきシーン
ビジネスの世界では、価格戦略は企業の成功に大きな影響を与えます。価格を下げることで、一時的に売上を伸ばすことができるかもしれませんが、それが必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。以下に、価格の値下げを避けるべきシーンについて詳しく説明します。
1. 値下げ後の賃率が必要賃率を割る場合
値下げ後の賃率とは、価格を下げた後の利益率のことを指します。この賃率が、事業が継続可能な最低限の賃率(必要賃率)を下回る場合、価格の値下げは避けるべきです。例えば、ある商品の製造コストが500円で、販売価格が1000円の場合、賃率は50%です。しかし、価格を800円に下げた場合、賃率は37.5%に下がります。この新たな賃率が、事業を継続するための必要賃率を下回る場合、価格の値下げは適切な戦略とは言えません。
“価格は一度下げると、なかなか上げられない。しかし、価格は品質を反映するべきである。”
– フィリップ・コトラー
価格の値下げが必要賃率を下回る場合、数量を減らすことで、収益性を維持しつつ、適切な価格設定が可能になる場合があります。例えば、ある商品を大量に生産することで一つあたりのコストが下がり、価格を下げることが可能になるとします。しかし、その価格の下げ幅が必要賃率を下回る場合、少ない数量を生産し、一つあたりのコストが上がるかもしれませんが、その分、販売価格を保つことができます。結果として、収益性を維持しつつ、適切な価格設定が可能になります。以上のように、価格の値下げは一見魅力的に見えますが、必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。値下げ後の賃率と必要賃率をしっかりと計算し、適切な価格戦略を立てることが重要です。
後藤穂高 / Hodaka Goto
元AOL日本、Netscape日本、ICQの社長である私の親の指導の下でキャリアを開始。
戦略的コンサルティング、法務、情報システム、システム開発を経験。
メディア、法律、テクノロジー、広告セクター。
マレーシアに拠点を置き、顧客組織のエグゼクティブに対して効果的なリスク軽減とビジネスプロセス改善計画について提案。
慶應義塾大学法科大学院卒業、上智大学法学部国際関係法学科卒業(成績優秀により3年間で早期卒業)
主なスキル:
企業関連の法務 | グローバル法務 | 業務改善 | コンサルティング | リスク管理 | 契約 | 自動化 | 法的サービス | KPI設計 | 上場準備 | プロジェクト管理 | 株主対応 | Google Workspace | Microsoft Office | SaaS | ERPシステム | CRMシステム